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賃貸併用住宅で使えるローンについて|住宅ローンを利用するメリット・使える条件を解説

賃貸併用住宅は、自宅と賃貸アパート・マンションなどの賃貸住宅を兼ねた住宅で、都内の土地活用の方法としてもおすすめです。

ところで、賃貸併用住宅は、「住宅」と名前が付いていますが、「住宅ローン」は使えるの?と疑問に思っている方もいるかもしれません。

今回は、賃貸併用住宅の建築を検討中の方へ、賃貸併用住宅で使えるローンや、賃貸併用住宅で住宅ローンを活用するためのポイントについて解説します。ぜひ参考にしてくださいね。

賃貸併用住宅とは

賃貸併用住宅は、一戸建てに賃貸住宅をプラスした住宅を指します。マンションやアパートの一部が大家さんの自宅になっているような建物をイメージしてください。

賃貸併用住宅において、自分の自宅の位置は、1階部分、最上階、建物を縦に割った一部分、などさまざまなパターンを実現可能です。

賃貸併用住宅は、家賃収入を得られるため、建築費用のローンの返済を家賃収入でまかないながら家を建てられます(資金計画によります)。また、家賃収入は老後の生活資金などにも活用でき、建物は資産として残るため、土地を有効活用しながら、年金や生命保険のような役割を持たせることもできます。

賃貸併用住宅建築で利用できるローンの種類

次に、賃貸併用住宅の建築の際に利用できるローンを種類別に解説します。

アパートローン

アパートローン(不動産投資ローン)は、一般的にアパートやマンションなどを、投資用等の自己の居住以外の目的で購入・建築する際に利用できるローンを指します。

アパートローンは集合住宅を一棟まるごと購入する際にも、一室(区分所有権)だけ購入する際にも利用できます。

アパートローンは事業用ローン(事業資金や開業資金のために、銀行やその他の金融機関が提供するローン)の一種です。事業用ローンは金融機関によってはビジネスローン、事業者ローンなどとも呼ばれます。

不動産投資に利用できる事業用ローンは、日本政策金融公庫やメガバンク、ネットバンク、都市銀行、地方銀行、信用金庫、ノンバンクなど幅広い金融機関が提供しています。また、不動産投資ローンを専門に扱う金融機関もあります。

住宅ローン

住宅ローンは、本人と家族のための居住用住居を建築したり居住用住居のための土地を購入したりする際に利用できるローンです。新築はもちろん、中古住宅の購入や以前に借り入れた住宅ローンの借り換えの目的でも利用できます。

アパートローンと住宅ローンの違い

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アパートローンは、不動産投資事業用に必要な資金を融資するローンで、住宅ローンは、自分や家族が居住する不動産に必要な資金を融資するローンという違いがあります。

住宅ローンは、賃貸住宅などの投資用不動産には使えないのが原則です。

次に、アパートローンと住宅ローンの違いとそれぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。

アパートローンは金利が高め

住宅ローンは、借り入れる人が居住することが前提で、一般的に投資が目的のアパートローンより金利は低く設定されていることがほとんどです。
アパートローンは、個人の信用の他に対象物件の市場価値などを判断して条件設定され、一般的には住宅ローンより高い金利設定になるのが特徴です。

一般的なアパートローンの金利相場
メガバンク 1.5~1.8%程度(優遇金利適用後)
日本政策金融公庫 0.3~2.65%程度(優遇金利適用後・返済期間中固定金利)
一般的な住宅ローンの金利相場
変動金利型 0.375%~0.650%(優遇金利適用後)
全期間固定金利型   0.91%~1.65%程度(優遇金利適用後)
固定期間選択型   0.650%~2.195%(優遇金利適用後・当初金利)

※金利は返済期間などによっても変わってきます。

住宅ローンの金利は、変動金利型か全期間固定金利型かで違いはありますが、アパートローンよりも低い金利設定が多いことが分かります。日本政策金融公庫のアパートローンは、他の金融機関よりも借入期間が短い、融資限度額が低い、審査基準が厳しいというデメリットがありますが、審査に通れば他のアパートローンよりも低い金利で融資を受けられる可能性があります。

アパートローンは審査基準が厳しい

アパートローンは、空室リスク(入居者がなく家賃収入がない状態)など、マイホームにはないリスクがあるため、審査基準も住宅ローンより条件が厳しいのが一般的です。

アパートローンの審査は主に以下の基準で行われます。

このように、主に借主の属性(個人の信用力)を重視する住宅ローンと比べて、アパートローンは物件の資産性・収益性も審査で重要視されます。また、初めて賃貸経営をする方なら3%〜5%の比較的高い金利で融資が下りることが一般的ですが、過去に経営実績があるなど、条件を満たせば通常よりも低い金利で借り入れられることもあります。

アパートローンは返済期間が短め

アパートローンの返済期間は20年~30年の期間で設定されることが多く、一般的に最長35年でローンが組める住宅ローンよりも返済期間が短いという違いがあります。

アパートローンは融資を受ける建物の耐用年数(構造)やローン完済時の年齢などによって返済期間が変わります。ただし、耐用年数イコール返済期間ではなく、一般的には耐用年数以内の返済期間になります。

住宅用建物の構造別法定耐用年数
木造 22年
鉄骨造(S造):骨格材の厚みが3mm以下 19年
鉄骨造(S造):骨格材の厚みが3mm超4mm以下 27年
鉄骨造(S造):骨格材の厚みが4mm超 34年
鉄筋コンクリート造(RC造)・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) 47年

出典:国税庁令和3年分確定申告書等作成コーナー「耐用年数(建物/建物附属設備)」

アパートローンは返済期間が短いことを想定しておかないと、毎月の返済負担が大きくなる可能性があります。

住宅ローンは税制上の優遇を受けられる

アパートローンと比較した住宅ローンのメリットは、

賃貸住宅は、基本的には賃貸(不動産投資)の用途のため、アパートローンを利用するのが一般的です。

ただし、賃貸併用住宅の場合は、条件を満たせば住宅ローンを利用できます。次に、賃貸併用住宅の建築・購入で住宅ローンを利用できる条件について解説します。

賃貸併用住宅の建築で住宅ローンを利用するには

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基本的には賃貸併用住宅に使えないとされる住宅ローンですが、自宅部分が50%以上を占める場合などには、住宅ローンを活用して建築できます。

さらに、自宅部分が50%に満たない場合でも、自宅部分と賃貸部分を分けて登記(区分登記)することで、自宅部分に対して住宅ローンを利用できるようになります。

賃貸併用住宅で、フルで住宅ローンを組めれば、低い金利でなおかつ住宅ローン控除が利用できるため、建築後の返済負担を大きく軽減できます。また、フルで利用できない場合でも、区分登記を利用すれば、住宅ローン適用部分は同様に税控除が利用できるため、少しでも負担を減らしたい方は検討の余地があります。

※賃貸併用住宅の住宅ローン適用は、金融機関によって面積の要件や条件の項目が変わります。詳細は各金融機関にてご確認ください。

賃貸併用住宅で住宅ローンを活用するためのポイント

柔軟な設計ができる工務店を選ぶ

賃貸併用住宅で住宅ローンをフルで利用するなら、自宅部分を50%以上にする必要があります。

しかし、賃貸経営という目的も達成するには、この設計上の制約の中で、賃貸部分も収益性の高い物件にしなければ成功しません。

例えば、建物を自宅と賃貸部分で縦に分割すれば賃貸部分をメゾネットにすることもできますし、上下に分割して階で自宅と賃貸部分を分けることもできます。

どんな賃貸物件を提供したいのかによっても、適切な間取りや工法が変わってきますし、施工費も変わります。

また、土地のあるエリアの特徴や居住者の属性でも賃貸物件の需要は変わってきます。

様々な条件から、適切な間取りの賃貸物件をつくるためには、柔軟な設計・構造が選べる工務店・ハウスメーカーを選ぶことが重要です。

まとめ

今回は、賃貸併用住宅で利用できるローン(アパートローン)の特徴とメリット・デメリットや、賃貸併用住宅で住宅ローンを活用する方法について解説しました。

通常、賃貸住宅(不動産投資目的)のアパートローンは住宅ローンよりも金利が高い傾向にあり、返済期間や審査条件にも独自の規定があります。

自宅部分がある賃貸併用住宅は、自宅部分の間取りや快適性、そして賃貸部分の収益性のバランスを取りながら、上手に住宅ローンを活用することも可能です。

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監修者情報

高坂 昇

高坂 昇ou2株式会社 専務取締役 一級建築士

木造密集地域や防火地域において、木造ならではの施工性や設計の柔軟性、コストパフォーマンスを活かして木造耐火4階建て住宅(もくよん®)や、災害時の避難場所となる地下室や屋上を備えた災害住宅も提唱しています。

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