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マンション経営で知りたい耐用年数と構造の違い|減価償却や寿命前の対処法を解説
人口流入の継続や外国人の転入者が期待できる東京都内で、土地活用や賃貸住宅経営をお考えの方におすすめのマンション経営。
マンション経営で安定した利益の確保が見込める東京23区では、単独世帯数の増加傾向もあり、小規模マンションであっても将来的に高い需要が見込めます。
そこで今回は、気になるマンションの耐用年数や寿命を左右する構造のポイントなどをご紹介します。
減価償却の計算方法や寿命前に知っておきたい対策も解説しますので、東京都内で新築マンションの建築や中古マンションの購入をご検討中の方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ポイント
- マンション経営をする上で知っておくべき耐用年数のポイントを解説します。
- マンションの減価償却費の適用部分と計算方法を知ることができます。
- 耐用年数を知って、寿命を過ぎる前の選択肢を増やしておきましょう。
目次
|
■マンションの耐用年数とは?
マンションの耐用年数は、法人税などの計算をする際、統一した基準で減価償却の計算を行うために法律で定められた年数です。
つまり、耐用年数=マンションの寿命、ではなく「減価償却費」を算出するために、法的に決められた(「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」)年数のことを言います。
減価償却の計算方法については後ほど紹介しますが、減価償却費の算出は、固定資産の価値や寿命を知る上で参考になる目安です。
建物の耐用年数
建物の耐用年数は、物件の構造によってそれぞれ定められている年数が異なります。
マンション(多層階)の場合は、基本的に「鉄筋コンクリート造」なので、耐用年数は47年になっています。
構造 | 耐用年数(住宅用の場合) |
---|---|
木造・合成樹脂造 | 22年 |
木骨モルタル造 | 20年 |
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 | 47年 |
レンガ造・石造・ブロック造 | 38年 |
【参考】:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数(建物/建物附属設備)」
耐用年数と寿命の違い
先ほどもご紹介したように、耐用年数は減価償却費算出のために用いる、法律で一律に定められた基準ですので、実際マンションに「住める年数」とは異なります。
またマンションの寿命も、建築に使われる鉄骨・鉄筋、コンクリートなどの質や入居後のメンテナンス、自然災害の有無など、さまざまな要因によって変わってきます。
平均寿命約70年~最長150年?
国土交通省が2013年に発表している資料では、取り壊されたマンションの平均寿命は68年となっています。
大がかりなメンテナンスや耐震補強工事を行うよりも、建て替えた方が将来性があると判断される場合は、この平均寿命を待たずに(取り壊し→建て替えのみの平均年数33年)、取り壊されることもあります。
一方で、コンクリート造の建物の寿命は120年とされ、リフォームなどを行い最長で150年まで住み続けられるという例もあります。
【参考資料】:国土交通省「期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について」
関連記事:マンション経営の初期費用の予算はどのくらい?元手はいくらあれば良い?
■マンションの寿命を延ばすポイント
続いて、早く寿命を迎えるマンションと長く住まえるマンションの違いを見ていきましょう。
マンション構造・耐震基準
一般的なマンションで採用される「鉄筋コンクリート造(RC造)」の建物であれば、本来100年以上の耐久性を備えていると言われています。
しかし、現在の日本では平均約70年弱で取り壊されているのが現状です。
マンションの構造を見る際に重要なのが「耐震基準」です。
旧耐震基準の「1981年6月1日以前に施工された建築物」に基づいて建てられたマンションは、震度6強~7の揺れで倒壊する可能性があります。
そのため、新耐震基準では「中規模の地震でほとんど損傷しない、かつ、大規模の地震で倒壊・崩壊しない」という基準が設けられています。
【参考】:国土交通省
配管のメンテナンス
メンテナンスも、マンションの寿命を大きく引き延ばす要素です。
そのため、近年のマンション建築では、長期修繕計画書により定期的なメンテナンスの実施が必要になっています。
鉄筋コンクリート造の建物寿命を考えると耐震補強工事さえ行えば、長く使い続けることが可能ですが「配管」の寿命が長くて30年というポイントに注目しなくてはいけません。
約30年で配管のメンテナンスが必要になるということは、コンクリートの中に埋め込んだり、交換が難しい場所に配置したりするのを避けることが重要視されます。
建材・給水管の質
鉄筋コンクリート造のマンションに使用される「コンクリート」の質によっても耐久性は変わってきます。
また、建材はもちろん給排水管の材料の質も見落とせないポイントです。
給排水管には、錆びに弱いメッキ鋼管よりも腐食に強い「塩化ビニール管」の方が良いとされています。
周辺環境・立地条件
マンションを建てる土地の地盤の状態も重要なポイントです。
一般的な戸建て住宅で採用される木造や鉄骨造よりも重量が重い、鉄筋コンクリート造でマンションを建てるのですから、地盤補強工事を行った上で建築を進める必要があります。
また、立地や周辺環境も建物の耐久性に影響してきます。
日当たりや風通しが悪い場所でのカビの発生や海に近い場所での塩害など、環境に合わせた対策が必要になります。
関連記事:【土地活用】東京でマンションオーナーになる|賃貸マンション・アパート経営成功のポイント
■マンションの減価償却計算方法
最初にふれた、マンションの減価償却費の計算方法について解説します。
減価償却費とは?
減価償却費は、不動産や設備など、長年使い続ける高額のものを購入した年の会計で1度に計上するのではなく、1年ずつの分割で計上していくことを言います。
減価償却が適用される部分
減価償却ができる対象は、建物本体と設備に限ることがポイントで、土地は減価償却の対象とならないので注意が必要です。
また、建物本体と設備の減価償却の年数もそれぞれ異なります。
計算方法をチェック
建築・購入費から、土地と設備の費用を差し引いた金額が建物本体の費用となります。
建物本体と設備の額に、それぞれの耐用年数ごとに定められている償却率をかけることで、減価償却費を算出することができます。
中古マンションの場合は、法定耐用年数から築年数を0.8倍した年数を差し引いた数字が、残りの法定耐用年数となります。(建物設備の法定耐用年数は15年)
関連記事:【賃貸経営の基礎知識】RC造とSRC造の違いは?鉄骨造・木造マンションとのメリット比較も
■寿命を過ぎたらどうなる?耐用年数を気にすべき理由
耐用年数を気にせず寿命を迎えてしまったマンションは、将来の選択肢が限られてきます。
そうならないために、耐用年数による資産価値を理解して、マンションが寿命を迎える前から選択肢をある程度持っておくことが大切です。
寿命を迎える前のマンションの選択肢
・そのまま住まい続ける
居住者が、新築の時から高齢になるまで住み続けている場合、すでに寿命のマンションを取り壊すのは、居住者に多額の負担がかかります。
これから新居を探して新生活を始めるよりも、不具合がありつつも終の棲家として、そのまま住み続ける人も少なくありません。
・居住者の負担で建て替え
将来的に「そのまま住み続ける」には、不安要素が多い場合には居住者負担で建て替えるという選択肢があります。
しかし、建て替えには4/5以上の所有者の賛成が必要であること、建て替え費用が長年住み続けてきた住民によっては負担が大き過ぎることなどから、なかなか実現しづらいのが現実です。
・売却する
3つ目の選択肢としては、ディベロッパーなどに建物ごと売却する方法です。
売却すれば、売却益を受け取った上で引っ越し先に移ることが可能です。
しかし、ディベロッパーが建物を解体して新たなマンションやビルを建てる場合、売却費用から解体費用が差し引かれるので、期待するほどの配分額に届かないケースが多く、実現しづらい現状にあります。
・解体後の土地を売却
すべての住民の引っ越しが可能な場合、建物を解体して更地にした土地を売却するという選択肢もあります。
通常、売却した利益の配分は引っ越し後に行いますが、マンションの解体費用はとても高額で、売却費用から解体費用を差し引くと、こちらもまた期待できない配分額になる可能性が非常に高く、現実的ではありません。
・居住者の負担ゼロで建て替えるケース
最後に、居住者の負担なしで建て替えができる方法をご紹介します。
建物の「建ぺい率」と「容積率」を使っていない部分を活用して、戸数を増やし分譲マンションとして、販売する方法です。
居住者負担ゼロで、建て替えが行える+建設中の仮住まいや2回の引っ越し費用もまかなえるケースもあるので、注目されています。
資産価値としての耐用年数とは?
寿命を迎えたマンションを建て替える、または売却するということがなかなか難しい、というのがご理解いただけたかと思います。
そこで、まだ中古マンションとしての資産価値がある、耐用年数を超えないタイミングで「売却」や「住み替え」を検討しておくことで、もっと長く住み続けられるマンションや戸建てを選択することができ、安心の将来や老後を迎えることができます。
関連記事:22条区域とは?防火地域、準防火地域との違いを解説
■まとめ:耐用年数を知ってスマートなマンション経営
マンション経営に役立つ、耐用年数や取り壊し寿命、資産価値を高めるマンションの構造選びやメンテナンスのポイントをご紹介してきました。
マンションの耐用年数が気になり始めたら、修繕コストや大規模修繕の手間、資産価値の下落などのデメリットをふまえて、まだ選択肢の多いうちに、将来性のある解決策が通るように準備しておくことが大切です。
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