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傾斜地に建つガレージのある家|東京で傾斜地・変形地に住宅を建築するポイント

2022/05/17(火) コラム

傾斜地の建築のポイント

東京都内での土地活用を考える際、敷地内で高低差のある「傾斜地」のため、建物を建築できるのか、活用方法に悩んでいる方もいるかもしれません。

今回は、傾斜地に建物を建築するメリット・デメリットや、傾斜地に住宅や賃貸住宅、店舗併用住宅などを建てて土地活用を行うためのポイントについて解説します。

M-LINEで傾斜地に建てた住宅の実例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

 


ポイント

  • 傾斜地に住宅などの建物を建築するメリット・デメリットが分かります。
  • 傾斜地で建築する際に事前にチェックすべき法律・条例や追加で発生する可能性のある費用が分かります。
  • 東京都内で傾斜地に建てた住宅の建築実例が見られます。

 

目次

 

傾斜地ってどんな土地?

 

・傾斜地は変形地・不整形地の一種

傾斜地に建つ家

傾斜地とは、その名の通り、傾斜(高低差)がある土地のことを指します。変形地・不整形地の一種で、「斜面地」「法面(のりめん)」とも呼ばれます。

<関連コラム>不整形地とは?不整形地で土地活用するメリット・デメリットと土地を活かした建築実例

 

傾斜地に住宅を建築するメリット

三角形の傾斜地に建つ3階建て住宅

傾斜地は、住宅や賃貸住宅などを建てるには不向き、と思うかもしれませんが、土地ごとの条件をしっかり見ていくことで、メリットが見つかることもあります。

 

・土地価格が安い

都心で土地の購入から家づくりや土地活用をする場合、東京ならではの地価の高さがどうしてもネックになります。そして、同じエリアの土地でも、整形地(正方形や長方形に整えられた土地)のような条件の良い土地ほど、価格も高くなる傾向があります。

傾斜地などの変形地は整形地や傾斜のない土地に比べて比較的価格が安い傾向にあります。一見、建築が難しそうな土地でも、建築会社と相談して条件に合うものを見つけられれば、土地の費用を大きく抑えられる可能性があります。

 

・傾斜地ならではの眺望

傾斜地は、特殊な立地ならではのメリットもあります。傾斜によって目の前に建物を遮るものがない場合、見晴らしや景観・日当たりが良い魅力的な賃貸住宅が実現できます。

 

・道路や隣家と視線がぶつかりにくい

傾斜のある土地の家は、周囲の家や道路と高さが異なるため、近隣の住民や通行人と視線がぶつかりにくい家になります。

このメリットを利用すれば、視線を気にせず過ごせる大きな窓のあるリビングやバルコニー、アウトドアリビングなどリゾート感のある間取りも実現できるかもしれません。

 

・地下部分を利用した間取りができる

傾斜地で家を建てると、傾斜の高い方は基礎を深くするため、地下部分ができます。この地下部分を利用すれば、地下のビルトインガレージや多階層のスキップフロアの間取りなど、住みやすく、個性的な家を実現できます。

 

 

傾斜地に建築するデメリットや留意点

約20坪の二世帯住宅

自分が所有する傾斜地で住宅の建築や賃貸住宅などの土地活用をしたいなら、まず、その土地が法律や自治体の条例によってどのように位置づけられるのか、そしてどんな建築物が可能なのか、を確認します。

そして、土地が自治体が指定する「がけ」に該当する場合や、地盤改良が必要な場合には、通常の住宅建築費用にプラスの費用がかかってくる場合がある点に留意する必要があります。傾斜地に建築する場合の留意点を詳しく解説します。

 

・傾斜地の建築はがけ条例をチェック

実は、建築基準法では「傾斜地」の定義はありません。建築基準法では「がけ」という用語が使われていますが、「がけ」の明確な定義はなく、一般的に「2mや3mを超える、硬岩盤(こうがんばん)以外の土質で、30度を超える傾斜のある土地」をがけと言います。

「建築基準法第十九条4項(敷地の衛生及び安全)」

「第十九条 4 建築物ががけ崩れ等による被害を受けるおそれのある場合においては、擁壁の設置その他安全上適当な措置を講じなければならない。」

 

土地のある場所が「がけ」に該当するかどうか、それによってどんな規制がかかるのかは、は地方自治体ごとの「がけ条例」でチェックします。

例えば、東京都では東京都建築安全条例の第六条で次のように定められています。

東京都のがけ条例の規制

 

「東京都建築安全条例第六条」

高さ二メートルを超えるがけの下端からの水平距離ががけ高の二倍以内のところに建築物を建築し、又は建築敷地を造成する場合は、高さ二メートルを超える擁壁を設けなければならない。

ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。

一 斜面のこう配が三十度以下のもの又は堅固な地盤を切つて斜面とするもの若しくは特殊な構法によるもので安全上支障がない場合

二 がけ上に建築物を建築する場合において、がけ又は既設の擁壁に構造耐力上支障がないとき。

三 がけ下に建築物を建築する場合において、その主要構造部が鉄筋コンクリート造若しくは鉄骨鉄筋コンクリート造であるか、又は建築物の位置が、がけより相当の距離にあり、がけの崩壊に対して安全であるとき。

<出典>東京都例規集データベース

東京都のがけ条例の詳細

<画像引用元>北区HP「建築敷地周辺に高低差がある場合(東京都建築安全条例第6条)

 

このように、がけ地の上や下に建築する場合は、崩落などの危険性を考慮し、がけからの距離によっては擁壁の設置が義務付けられます。

がけの斜面の勾配や地盤の強さ、既存擁壁の十分な強度などの条件をクリアするか、RC造やSRC造など強度の高い構造を選ぶことで擁壁の新設が必要ない場合もあります。

がけ地の建築規制についてはケースバイケースですので、自己判断はせずに必ず建築士や自治体に確認しましょう。

 

・地盤調査が必須

傾斜地は、切土(斜面を切り崩して平にする)や盛土(斜面に土を盛って平にする)などの造成が施されている場合があります。「切盛土」と呼ばれる切土と盛土が両方行われている土地もあります。

切土の場合は、自然の地盤を利用するため、元の地盤が問題なければ良いのですが、盛土の場合は埋め立てた土砂の固め具合によっては強度に不安が出る場合もあります。

また、擁壁がある場合は、埋戻土(擁壁を作り終えた後、土砂を入れて埋めた部分)が不安定なケースもあります。

そのため、傾斜地で建築する場合は安全性を確認するため、地盤調査が必須となります。

地盤調査の結果、地盤改良が必要な場合、地盤改良工事費用が別途かかります。

 

・擁壁・造成費用が必要な場合がある

擁壁工事

傾斜地が、そのままでは建築できない状態の場合は、前述の擁壁設置や切土・盛土などの造成工事を新たに行う必要があります。擁壁設置や造成費用は、土地の傾斜の勾配や、面積、擁壁の材質(コンクリート、間知ブロックなど)や形状、盛土の種類などによって変わってきます。

 

・既存擁壁のある場合は擁壁の検査済証があるか必ず確認

傾斜地で既存の擁壁がある場合でも、その擁壁が現在の法令の基準を満たしていないと、そのままでは住宅を建築できず、補修や、やり直し(擁壁を取り壊し新規に施工)の費用がかかってしまいます。石積みやブロック積みなどの古い擁壁で起こりがちなケースです。

先ほど紹介した東京都建築安全条例では、擁壁について下記のような基準が設けられています。

 

「東京都建築安全条例 第六条(3項・4項)」

3 前項の規定により設ける擁壁の構造は、令第百四十二条第一項の規定によるほか、土の摩擦角が三十度以下(土質が堅固で支障がない場合は、四十五度以下)であつて、基礎と地盤との摩擦係数が〇・三以下(土質が良好で支障がない場合は、〇・五以下)の場合にも安全でなければならない。

4 擁壁等には、次の各号に定める排水のための措置を講じなければならない。

一 擁壁には、壁面の面積三平方メートル以内ごとに耐水材料を用いた水抜穴を設けること。

二 擁壁には、水抜穴の裏面の周辺その他必要な箇所に砂利等の透水性の層を設けること。

三 擁壁の上部の地表面(傾斜面を含む。)には、雨水及び汚水の浸透を防ぐための不透水性の層又は排水施設等を設けること。

<出典>東京都例規集データベース

 

また、コンクリートの擁壁でも基準を満たしているとは限りません。既存の擁壁がある場合は必ず、擁壁について建築確認申請の検査済証があるか必ず確認しましょう。

 

・急傾斜地崩壊危険区域に注意

急傾斜地崩壊危険区域とは、台風や集中豪雨による急傾斜地の崩壊(がけ崩れ)による災害から住民の生命を保護することを目的として、崩壊するおそれのある急傾斜地(傾斜度が30度以上の土地)で危険性が高い区域を指定したものです。

東京都では急傾斜地崩壊危険区域の指定基準を次のように定めています。

 

【急傾斜地崩壊危険区域指定基準】

・急傾斜地(傾斜度が30度以上)の高さが5メートル以上の土地

・急傾斜地の崩壊により危害が生ずるおそれのある人家が5戸以上ある、または5戸未満であっても官公署、学校、病院、旅館等に危害が生ずるおそれがある区域

 

急傾斜地崩壊危険区域では、がけ崩れを防止する対策が必須であるとともに、次のような行為について許可が必要です。

 

・水を放流し、又は停滞させる行為その他水のしん透を助長する行為

・ため池、用水路その他の急傾斜地崩壊防止施設以外の施設又は工作物の設置又は改造

・のり切、切土、掘さく又は盛土

・立木竹の伐採

・木竹の滑下又は地引による搬出

・土石の採取又は集積

・前各号に掲げるもののほか、急傾斜地の崩壊を助長し、又は誘発するおそれのある行為で政令で定めるもの

 

<出典>東京都建設局「用語の解説:砂防三法指定区域(砂防指定地・地すべり防止区域・急傾斜地崩壊危険区域)

 

このように、急傾斜地崩壊危険区域では安全性の確保が最重視されるため、建築のための行為にも大きく制限がかけられます。

この区域で建物を建築する場合、擁壁の設置費用などが高額になる可能性が高いため、土砂災害警戒区域等マップで急傾斜地崩壊危険区域かをチェックした上で、自治体に直接確認しましょう。

 

・宅地造成法の規制もチェック

傾斜地で住宅を建築する際は、建築基準法や自治体の条例、急傾斜地崩壊危険区域の規制とともに、「宅地造成等規制法(宅造法)」における規制もチェックが必要です。

宅造法では、宅地造成に伴い災害が生ずるおそれの大きい土地の区域を「宅地造成工事規制区域」と定め、該当区域の中で宅地を造成する場合、一定の範囲以上の盛り土や切土に都道府県知事の許可が義務付けられています。

具体的には、

 

  • 盛土⇒1m超のがけが生じる場合
  • 切土/切土・盛土両方⇒2m超のがけが生じる場合

 

上記の場合に都道府県知事の許可が必要です。

東京都内の宅地造成工事規制区域は、下記のページで確認できますので参考にしてください。

 

<参考>東京都都市整備局「宅地造成工事規制区域

 

 

傾斜地におすすめの建築手法

次に、傾斜地に建物を建てる際に有効な建築手法を紹介します。

 

・混構造

混構造とは、木造+RC造や木造+S造など、複数の構造・構法を組み合わせる構造を指します。それぞれの構造のメリットを複合的に活かした混構造を採用することで、変形地や傾斜地など、都内に多い難しい土地でも、コストを抑えながら希望の建物を建てることが可能になります。

混構造の詳細やメリット・デメリットについては過去のコラムで詳しく解説していますので、合わせて参考にしてください。

<関連コラム>「混構造」で広がる都内の土地活用の可能性|木造+S造・RC造のメリット・デメリット【建築実例付き】

 

・スキップフロア

スキップフロアとは、0.5階(半地下)や1階と2階の間の1.5階(中二階)など、1つの階層に複数のフロアを設ける間取り手法です。

スキップフロアは、限られた敷地に建てる家で居住スペースを増やしたり、室内空間に縦の広がりが出て家族とコミュニケーションしやすいなどのメリットがあります。

傾斜地ならではの高低差を利用すれば、スキップフロアのある多階層の家を実現しやすくなります。

 

 

傾斜地の建築実例

・変形地+傾斜地に建てたガレージ住宅(練馬区・3階建て+地下1階)

木造+S造混構造3階建て

大開口のガレージ

混構造のリビング

▶こちらの施工事例を見る

三角形の変形地に加えて高低差もある傾斜地。すでにお客様が土地を購入された状態で相談を受けました。車が3台停められるガレージを希望されていましたが、注文住宅のメーカーでも難しい土地のため、構造を選ばずに建築できる弊社をお選びいただきました。

大胆に既存の擁壁を壊し、車が2台入る駐車場を半地下に設計

他社では既存の擁壁を残して地下に1台、1階に1台置く設計でしたが、当社だけは大胆に擁壁を壊して、大きな半地下の駐車場をつくるというプランでした。お客様のご要望でもあったのですが、確かに使い勝手も2台並んで置けたほうがいいですよね。おかげで建物の設計にも自由度が広がりました。

今回は、鉄骨造と木造を合わせた混構造を採用し、予算オーバーせずに希望の間取りが実現できました。

鉄骨造やRC造だと予算が上がりすぎてしまうという場合も、混構造なら双方のメリット・デメリットをうまく融合させたかたちで実現できます。

 

 

まとめ|傾斜地での建築は変形地の家づくりに強い工務店を選ぼう

傾斜地は、規制が多くクリアしなければならない条件が多い反面、立地によっては眺望や環境の良い魅力的な住宅や賃貸住宅を建てられる可能性を秘めています。

平地や整形地よりも土地の評価が低くなりやすいので、固定資産税などの維持費を抑えやすいのもメリットですが、造成や擁壁・地盤改良などの初期費用がかかる場合もあります。

傾斜地で建築・土地活用を考えている方は、傾斜地・変形地での家づくりや建築の実績が豊富な工務店・住宅会社にまずは相談しましょう。

 

 

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