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これから土地活用を始める方が知っておくべき“大規模修繕工事”|基礎知識や注意点・維持コストについて詳しく解説
所有している土地に建物、特に併用住宅や賃貸集合住宅などある程度の規模の建物を建てる場合、忘れてはいけないのが「大規模修繕工事」です。
せっかく資金を費やして立派な建物を建てても、きちんとメンテナンスしなければ寿命を全うできません。
そこで、こちらの記事では建物を「大規模修繕工事」の内容や周期、費用について詳しく解説します。
これからマイホーム・収益物件の建設を検討する方は、ぜひ今回紹介する内容も踏まえた上で、プロジェクトを進めましょう。
ポイント
- 建物の資産価値を維持して正常な状態に保つためには、大規模修繕工事は欠かせません。
- 適切な周期で必要な工事を施すことで、建物の寿命を延ばすことができます。
- 建設時の初期費用に加え、長期修繕計画に必要な積立金を用意しておきましょう。
目次
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建物にかかる維持コストは?
建物は“建てて終わり”ではありません。
健全な状態で維持・管理・運営するためには、それなりのコストをかけなくてはならず、それを念頭に置いて建設を検討しないと、すぐに売却することになってしまいます。
では、具体的にはどのようなコストを想定しておけば良いのでしょうか?
固定資産税・都市計画税
土地や建物のを所有していると、毎年「固定資産税」がかかり、都市部に至ってはさらに「都市計画税」も支払わなくてはいけません。
毎年、課税標準価格の1.4%程度の納税が義務付けられますが、住宅用地であればいくつかの特例措置がとられ減免されます。(「東京都主税局|固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」参照)
各部修繕費
建物を維持しようとすると、どうしても各部の修繕工事が発生してしまいます。
都度故障した箇所の修理に対応しなくてはならないだけではなく、不具合がなくても定期的に大規模修繕工事を行わないとならず、それなりの費用を積み立てておかなくてはいけません。
また、賃貸物件にする場合はリフォーム代やハウスクリーニングも必要です。
マンションなどの区分所有であれば修繕積立費として、強制的に徴収されますが、一棟丸ごと所有する場合には、中長期的な修繕計画を立て、それを踏まえた資金を準備しておきましょう。
管理依託費・管理費
賃貸物件を持つということは、入居者募集、契約締結、家賃の管理、トラブル・クレームへの対応と、さまざまな業務が伴います。
しかし、これらを一般の方が対応するのはかなり困難で、大きな負担となってしまうでしょう。
そこで、多くのオーナーは専門業者へ「管理委託」をします。
万が一、オーナー自ら管理する場合にも清掃費や管理人としての人件費や雑費などの管理費は必要です。
建物規模や室数によって費用はまちまちなので、あらかじめ数社に相談をして管理委託費などを確認しておくと良いでしょう。
共用部光熱費
賃貸物件の場合には、ホールや階段室、エレベーターなどの共有部に関わる光熱費も発生します。
そのほかの維持コストと比べると安価ではありますが、忘れてはいけない経費です。
太陽高発電システムを取り入れるなど、設計時には色々なプランを比較検討してみましょう。
設備機器メンテナンス費
消防設備やエレベーター、集合ポスト、宅配ボックスなど、ある程度の規模の建物を維持するには、これらのメンテナンスも欠かせません。
修理や交換の際に、余計な付帯工事が発生しないように、新築時にはメンテナンスがしやすいプランにするなど、建設会社と十分相談しましょう。
特に重要な“大規模修繕工事”その内容は?
維持コストの中でも特に費用がかかるのが「大規模修繕工事」です。
これは、建物を正常な状態に保ち雨漏りなどのトラブルが発生しないように外装や共有部を定期的に見直すための工事で、これを怠ると、建物の寿命は確実に縮まってしまいます。
では、具体的にはどのような工事を行わなくてはいけないのでしょうか?
外壁塗装・コーキングの交換
まず、費用の中で大きな比率を占めるのが、外壁の改修です。
外壁塗装や、タイルの補修、各部コーキング目地の打ち替えなどが含まれます。
耐用年数は外壁の種類や立地状況によって異なりますが、一般的には10〜15年に一度の見直しが必要です。
足場を架けての作業になるため、費用がかかるだけではなく日常生活にも影響が出ます。
各部防水工事
屋上防水やベランダ防水も、しっかりメンテナンスしなくてはいけません。
少しでも劣化や亀裂があれば、すぐに雨漏りになってしまうからです。
耐用年数は防水工法の種類にもよりますが、一般的には外壁と同様に10〜15年に一度は補修する必要があります。
また、補修以外にも不具合がないかどうか業者に定期点検をしてもらうのもおすすめです。
配管・配線の交換
いくら外装などをきれいに保っていても、内部の設備配管や電気配線が古くなってしまっては意味がありません。
近年は、排水給水管には塩ビ性のパイプが使われているため、寿命は25〜30年程度で、電気配線も20〜30年程度の寿命があります。
しかし、使用される頻度や環境によって寿命が身近くなる可能性もあるため、築20年頃に早めの取り替えを検討しましょう。
バリアフリー化・バージョンアップ工事
建物は新築時の状態のまま使い続けるということは少なく、むしろ時代や利用者のニーズに合わせて変えていくことが必要です。
例えば、バリアフリーにするためのスロープ増設やエントランス改修、宅配ボックス・防犯カメラの設置など、必要に応じて機能をプラスしていくことも想定しておきましょう。
バリアフリー工事やバージョンアップ工事については自治体で補助制度を設けている場合も多いため、事前に調べておくこともおすすめです。
周期はどのくらいでやるべき?
では、「大規模修繕工事」は何年に一度の周期で行えばいいのでしょうか?
建物規模や構造、立地条件によって金額は大きく異なりますが、マンションの場合は12年周期で大規模修繕工事を行うことを想定して、長期修繕計画を立てるのが一般的です。
物件によっては、15年・18年周期で修繕を行う場合もありますが、その分劣化が進んで費用が嵩んでしまう可能性が高いでしょう。
また、「まだ大丈夫」と無駄に工事を後回しにしてしまうと、雨漏りが発生して大掛かりな付帯工事をしなくてはいけなくなります。
「大規模修繕工事」の一番の目的は、建物の資産価値を維持して長寿命化させることです。
そのため、あまり周期を開けずにしっかりと長期修繕計画を立てるようにしてください。
関連ページ:国土交通省|長期修繕計画標準様式・長期修繕計画作成ガイドライン・長期修繕計画作成ガイドラインコメント
どのくらいの費用が必要?平均金額は?
大規模修繕工事にかかる費用は、建物規模や劣化度合いによってかなり幅がありますが、国土交通省が実施した「マンション大規模修繕工事に関する実態調査について」によると、以下のようなアンケート結果が出ています。
(国土交通省|マンション大規模修繕工事に関する実態調査についてデータをもとに作成)
ちなみに、工事費用の内訳比率は以下の通りです。
(国土交通省|マンション大規模修繕工事に関する実態調査についてデータをもとに作成)
一回目の改修は外壁や防水関連の工事が主にですが、2回目には築20年を超えるため給水設備工事や電気関連工事が発生し、さらに3回目には建具などの入れ替え工事も発生する傾向があります。
土地活用を検討する際は中長期維持計画も合わせて考えましょう
建設費などの初期投資費用はもちろん必要ですが、建物の資産価値を維持しながら正常な状態に保つためには、ある程度の修繕費が必要です。
この修繕費を念頭にプロジェクトを計画しなくては、長期間建物を所有することが難しくなってきます。
必ず建設に踏み切る前に、建物の維持コストについても念頭に置き、長期修繕計画を立ててみてください。
また、新築プランを検討する際にはメンテナンスしやすい構造や仕上げにしておくことも肝心です。
長寿命化建物を実現させるためにも、新築の際の建設会社に修繕計画についても相談してみるのもおすすめします。
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まとめ
建物の維持管理には「大規模修繕工事」は欠かせません。
せっかく多額の資金を投資して建物を建てても、補修を怠れば資産価値はどんどん下がってしまいます。
建設初期投資に加えて、「どのくらいの時期にどれくらいの修繕資金が必要になるか」を事前にシミュレーションすることが大切です。
M-LINEは、東京の限られた土地を最大限に活かした技術と設計で、理想の家づくりをお手伝いします。
土地の有効的な活用についてお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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