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【賃貸経営の基礎知識】ワンルームマンション条例とは|都内のマンション建築で知っておきたい法規制の知識

2022/05/23(月) コラム

ワンルーム条例とは

東京都内でマンション・アパートなどの賃貸住宅を建築して土地活用するなら、都心で需要が高く、より高い利回りが期待できる単身世帯向けの「ワンルームマンション」を建築したいと考えている方もいるのではないでしょうか。

実は、23区内で新たにマンションを建築する際、ワンルーム形式の部屋の戸数や、一戸の最低面積などの制限があります。

この規制は「ワンルーム条例(ワンルームマンション規制)」と呼ばれ、都内で賃貸住宅を建築するなら必ずチェックするべき条例です。

今回は、ワンルーム条例とはどんな規制なのか詳しく解説するとともに、23区ごとに異なるワンルームマンション新築にかかわる規制を比較します。

東京都内でマンションの新築を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

 


ポイント

  • ワンルーム条例(ワンルームマンション規制)の概要が分かります。
  • 東京23区(中央区・墨田区・江東区・港区・杉並区)のワンルーム条例の規制内容が分かります。
  • ワンルーム条例を踏まえて都内でマンション建築をする際の設計のポイントが分かります。

 

目次

 

ワンルーム条例(ワンルームマンション規制)とは

江東区のマンション

ワンルーム条例(ワンルームマンション規制)は、東京都などの都市圏で主に取り決められている、ワンルームマンションの建築に対する規制です。

ワンルームマンション規制の具体的内容は、新たに一定の規模のワンルーム形式のマンション、単身世帯向けのマンションを建築する場合、

  • 最低専有面積をクリアする
  • 同一マンション内に一定戸数、一定以上の専有面積のある家族向け住戸を設ける

上記が主なルールになります。

 

規制内容を分かりやすく言い換えると、一定規模以上のワンルームマンションを建築する場合、

各部屋(各戸)を決められた面積以上の広さ」で作り、

ワンルーム形式だけでなくファミリー用の住戸も一定数作る」というルールになります。

東京23区ではほとんどの区で一戸の最低面積を「25㎡」と定めています。

 

その他、区によって

  • 管理人室や駐車・駐輪施設を設ける
  • 廃棄物保管施設の設置
  • 緑化
  • 周辺の生活環境への配慮

など細かなルールが定められています。

 

・ワンルームマンション規制の背景

なぜ、東京都ではワンルームマンションの建築にこのような規制がされているのでしょうか?規制に至る背景についても少し解説します。

・単身世帯の増加を抑制するため

ワンルームに規制がかかるということは、ワンルームに住む単身者を増やしたくない、という目的が見えてきます。そもそも、単身世帯率が50.2%(2020年国勢調査)の東京は、ワンルーム需要も高いため、何も規制しなければどんどんワンルームマンションが増えてしまうばかりになってしまいます。

単身者は、学生や定住する意思がない人(住民票が地元にある)の割合も多く、その分の住民税の税収が得られません。自治体にとっては、その場所に定住する可能性が高いファミリー世帯を増やしたいという背景があります。

また、定住する意思がない単身者は地域活動に積極的に参加する割合が低いことも懸念され、より地域活性化を促す目的で、単身世帯とファミリー世帯のバランスのとれた地域を作るためにこのような規制がなされています。

 

 

ワンルーム=1Rだけではない?自治体による定義の違いに注意

台東区のマンション

ところで、「ワンルーム」というとどんな部屋をイメージしますか?

住宅情報誌では、「1R」「1K」「1DK」「1LDK」など、いくつかの間取りのパターンがありますが、これらすべてが「ワンルーム」に該当するのでしょうか?

ワンルーム条例におけるワンルームの定義は、間取りではなく「専用面積」が規制の分かれ目になります。そして、港区なら37㎡未満、江東区なら40㎡未満というように、ワンルームの定義も区ごとに異なります。

区ごとに異なる規制内容を正しく理解することで、よりスムーズに、ルールの範囲内で収益性が高いマンションの計画を建てられます。

次に、M-LINEで多くマンション建築のご相談を受ける中央区・墨田区・江東区・港区・杉並区のワンルーム条例の規制内容をまとめて紹介します。

 

 

中央区・墨田区・江東区・港区・杉並区のワンルームマンション規制

江東区の店舗併用賃貸住宅外観

ワンルーム条例は東京23区全ての区に設けられています。また、自治体ごとに条例の名称が異なり、例えば港区では「港区単身者向け共同住宅の建築及び管理に関する条例」、江東区では「江東区マンション等の建設に関する条例」という条例名になっています。 

今回は、中央区・墨田区・江東区・港区・杉並区のそれぞれのワンルーム条例を簡単にまとめて紹介しますので、参考にしてください。

 

・中央区「中央区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例」

中央区では、地区計画の区域内において、ワンルーム形式のマンション建築に関して次のような規制があります。

住戸を10戸以上有する共同住宅で、

  1. 定住型住宅(住戸の専用部分の床面積が40㎡以上の住戸)の床面積の合計が、住宅用途床面積の合計の1/3未満のもの
  2. 定住型住宅以外の住戸の全てにおいて、それぞれの住戸の専用部分の床面積が25㎡未満の住戸を有するもの

は建築できません。

つまり、中央区の地区計画区域内で、10戸以上・なおかつワンルームのあるマンションを建てたい場合は、床面積40㎡以上の住戸を全体の1/3以上にし、ワンルーム部分は一戸あたりの床面積を25㎡以上にする必要があります。 

参考:中央区HP(例規集)

 

・墨田区「墨田区集合住宅の建築に係る居住環境の整備及び管理に関する条例」

墨田区では、以下のいずれかの条件を満たす共同住宅について規制がかかります。

  1. 住戸(室)数15以上の共同住宅、寄宿舎又は長屋
  2. 地階を除く階数が3以上かつ住戸(室)数10以上

上記に該当する規模のマンションの建築にあたって、次のような定めがあります。

  1. 1住戸の専用床面積は、25㎡以上とすること。
  2. 居室の天井の高さは、2.3m以上とすること。
  3. 全体の住戸数が25戸以上100戸未満の場合においては、その住戸数の30%以上を専用床面積が40㎡以上の住戸とすること。
  4. 全体の住戸数が50戸以上100戸未満で、かつ、その住戸数の50%以上を専用床面積が40㎡以上の住戸が占める場合においては、全体の住戸数の20%以上を専用床面積が70㎡以上の住戸とすること。ただし、全ての住戸の専用床面積が40㎡以上の場合は、この限りでない。
  5. 全体の住戸数が100戸以上の場合においては、その住戸数の50%以上を専用床面積が40㎡以上の住戸とし、20%以上を専用床面積が70㎡以上の住戸とすること。
  6. 規則で定めるところにより、全ての住戸をバリアフリーに配慮した住戸とすること。

参考:墨田区HP「墨田区集合住宅条例

 

このように、墨田区では、住戸の最低床面積や高さ制限があるほか、マンションの全体の住戸数に応じて、決められた床面積と戸数のファミリー住戸を設けることが定められています。また、バリアフリーへの対応など、多様な世代に向けた配慮をされたマンションを建築することが求められていることが分かります。

 

このほか、

  • 地震災害時における対策
  • 駐車場、駐輪場、バイク置き場の整備
  • 集会室等の整備
  • 緑地等の整備
  • 壁面の後退(隣地境界線から建築物の各部分まで有効 50cm以上確保)

など、合わせて20項目の施設整備に関するルールが設けられています。

 

・江東区「江東区マンション等の建設に関する条例」

江東区では、次の条件を満たすワンルームマンションに対して規制がかかります。

  • 地階を除く階数が3以上
  • 住戸の数が15戸以上
  • 住戸の数の過半数以上がワンルーム住戸(専用面積が40㎡未満の住戸)

 

規制の内容は

  • ワンルーム住戸の最低専用面積25㎡以上

に加えて、

  • 敷地面積に応じた「公開スペース(日常一般に公開する空地)」の整備
  • 雨水流出抑制施設の設置
  • 壁面等の後退
  • 駐車場・駐輪場の設置
  • 集会場・コミュニティスペース・管理人室の設置

など、セキュリティや環境美化、防災に関する項目が定められています。

 

さらに、住戸が151戸以上のワンルームマンションについては、下記のような規制があります。

  • 世帯用住戸(90㎡以上の住戸)とワンルーム住戸を下記の割合で設置
  1. 住戸専用面積が90㎡以上の世帯用住戸を世帯用住戸数の1/10以上
  2. 住戸専用面積が25㎡以上40㎡未満のワンルーム住戸を世帯用住戸数の1/5以上
  • 子育て支援施設やコンビニなどの購買施設などの「生活利便施設・地域貢献施設」を設置する
  • バリアフリー住戸の設置

江東区では、151戸以上の大規模なワンルームマンションになると、ファミリー向け住戸やバリアフリー住戸が一定割合必要な点がポイントです。

参考:江東区HP「マンション等の建設に関する条例

 

・港区「港区単身者向け共同住宅等の建築及び管理に関する条例」

港区は、「住戸専用面積37㎡未満の住戸が7以上ある共同住宅(寮、寄宿舎及び下宿を含む。)」に対して規制がかかります。2019年の条例改正により、条例の対象に「単身者向け長屋」も追加されました。

規制の内容は次のようになっています。

  • 最低住戸専用面積25㎡(寮、寄宿舎及び下宿を除く)

ただし、商業地域(近隣商業地域は含みません。)は、総戸数の2分の1未満の戸数を20㎡以上とすることができます。

  • 家族向け住戸の設置(寮、寄宿舎及び下宿を除く)

総戸数(当該建築物の全ての住戸)が30戸以上の場合には、家族向け住戸(専用面積が50㎡以上)を次に定める戸数以上設置する。

・商業地域(近隣商業地域は含まない)…総戸数のうち29戸を超えた数の1割(端数切り上げ)に1を加えた数

その他の地域…総戸数のうち29戸を超えた数の2割(端数切り上げ)に1を加えた数

 

この他、

  • 管理人室の設置
  • 駐車施設・駐輪施設の設置
  • 廃棄物保管施設の設置
  • 敷地内の緑化
  • 壁面の後退や隣接地に配慮した目隠しの設置など

などのルールが定められています。

参考:港区HP「単身者向け共同住宅等(ワンルームマンション等)を建てるとき

 

・杉並区「杉並区建築物の建築に係る住環境への配慮等に関する指導要綱」

杉並区では、「階数が3以上(居室を有しない地階を除く。)かつワンルーム形式の住戸で構成される住戸数が6戸以上の集合住宅」に対して規制がかかります。

主な規制の内容は

  • 最低専用面積25㎡以上(住戸数10戸未満は20㎡以上)
  • ワンルーム住戸数が20超の集合住宅の場合、20戸を超える部分×1/2以上のファミリー住戸(40㎡以上)を設ける

となっています。ファミリー住戸の数は、例えば総戸数24戸のワンルームマンションなら、20戸を超えた分の4戸×1/2=2戸以上のファミリー住戸が必要ということになります。

その他の詳細な規制内容は、区のホームページも参考にしてください。

参考:杉並区HP「建築にあたっての住環境への配慮等(集合住宅等の建築に関する指導要綱)について

 

※ここで紹介しているワンルーム条例の内容は令和4年5月時点の情報です。最新の情報や条例改正の情報などは、各区のホームページで必ず確認いただくようお願い致します。

 

 

都内のワンルームマンションの設計ポイント

江戸川区のマンション

・ファミリー住戸の配置

ワンルーム条例ではファミリー住戸を一定以上設けるルールが多いため、家族向けの住戸をどこに配置するかがポイントになります。ワンルームとファミリー住戸のあるマンションでは、1~2階の下階層~中階層にワンルーム、上層階にファミリー住戸を配置することが基本です。

都心部では、ファミリー住戸はワンルームよりも賃貸需要が低いため、セキュリティや日当たりなどの面で上層よりも需要が低くなる下層に配置すると、マンション全体で空室率が悪化してしまう可能性があるためです。

一方で、ワンルームは需要が高いため1階であっても入居者が埋まりやすい傾向にあります。

ファミリー世帯は、より居住環境条件がよく、セキュリティ的にも安心な上層に配置すれば入居率を高められるでしょう。

 

・条例の規制に当てはまらない規模で建てる

都内のマンション建築は、23区のワンルーム条例に当てはまらない規模で建てるのも1つのアイデアです。

例えば、中央区は10戸以上の共同住宅、墨田区は15戸以上(3階建て以上のマンションの場合は10戸以上)の共同住宅に対して規制がかかりますが、逆にそれ以下の規模であれば最低面積の規制がないので、一戸をより小さくでき、住戸の数を増やせます。

あえて容積率をフルに使わずに小規模で建てることで、より利回りの良い物件を実現できる場合もあります。エリアの賃貸需要、土地の面積や立地条件、建ぺい率や容積率、斜線制限、高度地区などの条件をトータルで考えて規模を決めましょう。

 

 

まとめ|都内のマンション建築はエリアのワンルーム条例をチェック

今回は、東京23区内でマンションを建てる際に必ずチェックしておきたい「ワンルーム条例」について詳しく解説しました。

都内のワンルームマンション規制は、規定通りの建物や環境整備のために追加費用がかかったり、ワンルームの戸数が制限されるなど、不動産投資・土地活用の面では厳しい規制になっています。

ワンルーム条例が厳しいエリアは、不動産業者・ビルダーなどがワンルームマンションを新規に建築する場合、採算が取れないことから新規参入するのが難しい状況です。

逆に、もともと土地を持っている人にとっては、ワンルームマンションの競合が少なく高収益が狙える可能性もあります。

都内でマンションに向いている土地をすでに所有している方なら、逆に規制の範囲内でワンルームマンションを安心して建てられる、とも言えます。

東京都内でワンルームマンションによる土地活用を考えている方は、今回紹介した区ごとのワンルーム条例を事前にチェックして、建築会社とも相談の上、費用対効果の高いプランを作っていくことが非常に重要です。

 

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